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ルールメイキングを通じた学び

〈 活動成果 〉

 
駒場学園のルールメイキングプロジェクトでは、「駒場学園に関わる全ての人の『幸せ』を追求する」ことを最終目標に、活動を行なってきました。

この最終目標を達成するために、校則をより良いものにする必要があると考え、また、校則に深く関わり、より本質的な校則見直しを行うために、プロジェクトメンバーが宣誓文を作成するAグループ・ルールを見直すBグループ • 良いルールの本質を考えるCグループ、の3グループに分かれて活動を行いました。

これまでの活動では、【ルールメイキング宣誓文の明文化】と【良いルールの定義づけ】の2つの項目を完了させました。【ルールメイキング宣誓文】では駒場学園の"今"を見つめ、校則に足りていない「校則を享受する人たちの権利」、そして駒場学園に足りていないと考えた「駒学らしさ」を明示するものとなっています。また【駒場学園における良いルール】とは、実際に校則を見直す際に、その見直し案が道徳上・社会通念上間違ったものではないかを判断するための、いわば「ルールメイキングの判断基準となるもの」となっています。

これらの活動成果に基づいて、来年度からは校則見直しの実践や、保護者や地域の方との交流も増やした上で宣誓文や良いルールの本質探究についても行っていきたいと思っています。


〈 活動を通じて学んだこと 〉

 
私がルールメイキングに携わる中で、校則について沢山考え、文章化していく事で、自分の考えが変化していくのを実感することが出来ました。様々な観点で変化がありましたが、そのうち3つをご紹介します。

1つ目は、「なぜ校則を変える必要があるのか」ということです。

私がルールメイカーに参加してすぐの頃は、クラスの学級委員として、「クラスをより良くする一環として、クラスの人の不満を解決することで、学校が楽しいと感じる人が増えるのではないか」という思いを持って活動していました。現在は、「校則が『変えることが出来ない物』として扱われていることがおかしいと感じるから」というように変化しました。

2つ目は、「ルールメイカーはなぜ必要なのか」についてです。

この事について活動を始めたばかりの頃は明確には理解しておらず、活動を進めていくうちに分かるのではないかと考えており、現状では「時代変化に合った新しい概念を提案する集団が必要だから」だと捉えています。

3つ目は、「対話」についての考え方です。

ルールメイキングが始まった時から何度も「対話」を意識する様に話し合いをするときに心がけていました。初めの頃は、会話・対話・議論の違いがあまりピンときておらず、会話の段階で止まっていたとしても、話が逸れたり停滞しすぎたりと、話し合い自体うまくいかない事が多くありました。

しかし、中高生交流会での古瀬さんのミニレクチャーで、対話とは「自己理解、他者理解、共通了解を得るためのコミュニケーション」「自分と対立する意見を楽しむ場」であるとお話しされていて、この言葉がルールメイカーのメンバーと上手く対話できるきっかけになったと感じています。

〈 来年度に向けて 〉

 
この約1年間、私がルールメイキングに携わって、大切だと思ったことは「当たり前を疑うこと」、そして「新しい概念を提案する集団としての意識」です。

私たちの生活には「当たり前」が溢れていて、全く違和感もなく、もし違和感があっても周りを気にして言葉に出せないような場面が沢山あります。例えば、学校であれば、生徒にとって担任の先生が言うことが絶対で当たり前だとされる事があったり、社会に出れば男性が育児休暇をとることはタブー視され、働き続ける事こそが当たり前とされたりしているという現状があります。その様な「当たり前」に学校の校則も当てはまると考えていて、それを私たちが「疑う」こと、つまりルールメイキングにおいて見直しをする事で、その窮屈な当たり前を減らすことが出来るのではないでしょうか。

また、「新しい概念を提案する集団としての意識」とは私たちがルールメイキングをして新しい校則を完成させ、全校生徒・保護者・地域の方々に提示する時に、あくまでも私たちは「提案する」立場であり、「従わせる」立場ではないことを忘れない事が必要だという考えです。これを実現するために、私たちは常にルールメイカー以外の人の声を聞き続けなければならないし、積極的に話し合いの場を設ける必要があると思います。

〈 まとめ 〉

 
私がルールメイキングに携わって学んだことは、校則を見直す手順や校則についての知識だけではありません。宣誓文やnoteの執筆を通して文章を書く力や伝える力、文章を通じて伝えようとする意識が身につき、ルールメイカー内での話し合いを通して対話する技術や共通意見を発見する力、新しい観点を皆で探し出す力など、本当に沢山の能力をレベルアップさせてくれた場だったと、振り返ってみて、改めて気がつきました。正直、勉強との両立が苦しかったり、友達が下校している中ルールメイカーへいく事を億劫に感じたりすることもありましたが(笑)、それでも今まで続けてきて、これだけ沢山のことを学べたことは私にとってかけがえのない成果となりました。これからは受験生となり、活動できる期間が限られてきますが、新1年生や2年生にしっかりとバトンタッチをして、ルールメイカーが続いていけるようにしたいと思っています。

「ルール」は高校を卒業してからも、社会の中に沢山存在し、私たちはそれに縛られることになるのだと思います。そんな中で、今まで学んできたことを活かせば社会のルールを変えるきっかけを作ることが出来るかもしれません。私たちは、一生ルールに縛られているからこそ、一生ルールについて考えていく必要があります。それは、よりクリエイティブな社会のため、多様性を認める社会のため、これからの私たち高校生の未来のために、必要な事なのではないでしょうか。

2年 みのり  

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